2024/11/18
「メカ」「エレキ」「ソフト」の技術を有する
唯一無二のブレーキシステムサプライヤーとして
ドライバーの感性に響く製品を開発
アドヴィックスはアイシン、デンソー、住友電工、その3社が持つ技術を結集したブレーキシステムサプライヤーです。2001年の創業当時は、各社で異なる設計工程、標準作業、品番管理をまとめなければなりませんでした。その困難を一枚岩となって乗り越え、ブレーキにおけるハード(メカ、エレキ)とソフトの技術を有し、クルマを進化させる幅広い製品群を有する他に類を見ない企業として、成長し続けています。
自前化でものづくりの精神と技術力を養う
時代に求められる新たな技術開発に取り組むにあたり、こだわったのは自前化です。いまでこそ当たり前の電動パーキングブレーキにはじめて挑戦するときも、我々は他社の実績あるアクチュエータを採用するのではなく、一から自前化にこだわり、悪戦苦闘しながらも技術を積み上げ内製化に成功しました。このときに培ったものづくりの精神と技術力が、アドヴィックスの原点であり誇りです。
高度な制御技術で時代のニーズに柔軟に対応
2011年以降、ESC(Electronic Stability Control)、いわゆる横滑り防止装置の搭載が欧州、アメリカ、日本で義務化されたことに伴い、ESCモジュレータのラインナップ拡大を推進。これをきっかけに当社は、自前の制御技術で事業規模をさらに拡大していくこととなります。さらに近年は、環境問題に対する社会の在り方やユーザーの意識変化からBEV、PHEV、HEVといった電動車の需要が伸び、減速時の運動エネルギーを効率よく回収する回生協調ブレーキシステムの採用が拡大しています。ここでもトヨタ自動車のプリウスとともに世界一の燃費をめざし開発した技術と経験が、大いに役立っています。
これからの安全、快適、利便を追求し、クルマを変えていく
100年に1度の変革期にある現在、世界中で実用化の進む自動運転や電動車の普及拡大でブレーキシステムには、より高い性能と精度が求められます。当社は「走る」「曲がる」「止まる」を高い次元で制御する車両統合制御を追究し、より安全、快適、利便に貢献するブレーキシステムの開発に努めております。ソフトウェアの力で粗いペダル操作でもスムーズに停止できる技術が、トヨタ自動車とKINTOによる「KINTO FACTORY」の新機能「なめらかブレーキ」に採用され、センチュリーやレクサスLMにも標準搭載されるなど、普及が進んでいます。
「Move,Move, Move & Moved !」をみなで実践
2021年には次の10年を見据え、中長期経営計画「ADVICS VISION 2030」を策定しました。2030年のめざす姿として、「メカ・エレキ・ソフトの技術を結集し、車両運動システムの核となる世界一お客様に喜ばれるブレーキ屋集団 We are ADVICS!」をかかげ、ドライバーのフィーリング=感性に響く技術を開発すべく、「Move,Move, Move & Moved !」というスローガンを実践してまいりました。最後の「Moved!」は「感動!」の意であり、そこには「自ら動いて感動を引き起こそう」という強い思いを込めています。今後は社員たちがお客様視点で行動し、膝を突き合わせたコミュニケーションを通じて、共感を生み、次のMoveを起こしていくことを願っています。私自身も週に1度チャットアプリで思いを発信するほか、世界に広がる拠点へ赴き、積極的に社員と交流を深めるなど、新たな「Move」に取り組んでいます。
ADVICS VISION 2030
2030年のめざす姿
メカ・エレキ・ソフトの技術を結集し、
車両運動システムの核となる
世界一お客様に喜ばれるブレーキ屋集団
唯一無二のブレーキシステムサプライヤーであり続ける
開発現場がハード主体からソフト主体へと大きく移り変わる中、当社はその両方に高い技術と知見を有することで、どのような局面にも柔軟に対応して参りました。今後も命を守る「品質」を第一に、世界トップレベルのブレーキシステムサプライヤーとしての責任を果たします。ハードを緻密につくり込み感性に響く技術を形にし、そしてソフトの力でSDV(Software Defined Vehicle)の進化をリードする「世界一お客様に喜ばれるブレーキ屋集団」として、時代のニーズに応えて参ります。
略歴
1986年4月 トヨタ自動車株式会社入社。
2014年1月 製品企画本部付ZS CEに就任し15代目クラウンの開発を担う。
2019年1月 シャシー・車両技術開発領域 領域長、2021年1月 クルマ開発センター 副センター長を歴任。
2024年1月 株式会社アドヴィックス Executive Advisor、同年6月 取締役社長・社長執行役員に就任。現在に至る。
取締役社長 秋山晃