健康経営の取り組み
アドヴィックスは、「世界一お客様に喜ばれるブレーキ屋集団」「従業員が働いて良かったと思える会社」を目指しています。これらを実現していく上で、働く仲間の「安全と健康」が大前提です。当社では従業員の健康意識の向上を図るため、心身両面の健康施策の充実に取り組むとともに、従業員全員がいきいきと働ける組織を目指し、新しい時代に向け健康経営をより一層推進していきます。
健康経営宣言
アイシングループは、かけがえのない社員が、心身ともに健康で、実り豊かな生涯を送ってほしいと願っています。社員の健康は、会社全体を活性化させ、会社の持続的な成長にも繋がると考えます。経営理念に掲げた「”移動”に感動を、未来に笑顔を。」を実現するために、すべての仲間が、健康で、わくわくと仕事に取り組み、働きがいや人生の幸せを感じ、個々の強みを発揮できることを目指します。
- 私たちは、自らの健康へ関心を持ち、仲間とともに、健康維持、増進に努めます。
- 私たちは、健康で、個々の強みを発揮できる会社風土を醸成し、笑顔あふれる未来を創ります。
2024年4月1日
株式会社 アドヴィックス
従業員の健康への投資は、企業の社会的責任を示すだけではなく従業員の満足度や幸福度を高め、企業の長期的な成長につながる大切な要素だと考えています。また「活気ある職場」づくりのためには、「心の健康」も重要です。
そのカギとなるのはコミュニケーションの充実とワークエンゲージメントです。人がお互いを尊重して、人の意見を聞く、自分の意見を言えるという自由闊達な雰囲気が必要だと思います。そして自分達の意思で目標を立て会社を良くしている、成長できているという実感を持てることが重要です。
そのためには、従業員が安心して、かつ心も体も安全に働ける環境を会社が創らなければいけません。それが私の思う「健康経営」です。
取締役社長
健康経営で解決したい経営課題
アドヴィックスは「世界一お客様に喜ばれるブレーキ屋集団」をスローガンに掲げています。
そのためには、若年層から高齢者まで従業員一人ひとりが、心身ともに健康な状態でパフォーマンスを最大限に発揮することが大事です。
従業員の健康維持や促進を経営における最重要課題のひとつと捉え、私たちはさまざまな健康施策や職場環境づくり、風土醸成などの戦略的投資を行っています。さらに最終KPIの達成にむけたPDCAサイクルを意識した健康経営を心がけています。
今後の高齢者雇用年齢引き上げを視野に入れ、従業員の『健康年齢』を2030年までに5歳下げることを目標にしています。
この達成に必要な指標を、アブセンティーズム、プレゼンティーズム、ワークエンゲージメントとしています。
これらの指標に影響を与える、健康投資施策の取り組み状況に関する以下に挙げる指標についても、定期的なモニタリングを行い各施策の改善検討につなげています。
- 「健康年齢」とは実年齢と健康診断結果年齢との差
- 健康年齢は実年齢と健診結果に基づいて算出した健康年齢との差の平均を表記。
毎年健康保険組合より提供される健康スコアリングレポート内のデータを活用している。
(健康年齢目標▲5歳の対象は30歳以上の従業員) - ワークエンゲージメントはストレスチェック内の項目「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」、「自分の仕事に誇りを感じる」という設問の回答より算出。
(2023年度測定人数:5342人、回答率:99.2%) - アブセンティーズムは年度の疾病休業開始後、有給休暇を除く、暦30日以上の疾病休業者率を算出。
(2023年度測定人数:5817人、回答率:100%) - プレゼンティーズムはSPQ(東大1項目版)を用いて算出。健康な状態で発揮できるパフォーマンスを100%としたときに過去1ヵ月で80%以上発揮できたと感じる従業員の割合。
プレゼンティーズムの目標:2030年までに70%
(2023年度測定人数:5342人、回答率:99.2%) - 2030年目標
- BMI25以上者 20%
- 喫煙率 20%
- 新規メンタル休職者率 0.8%
- 運動習慣率 50%
推進体制
産業医・保健師などの専門職を含むメンバーにて、健康増進施策の検討・実施を行っています。
グループ会社においても、アイシングループ健康部会を通して、活動の共有を行い、グループ一体となって健康施策を進めています。
また各拠点において、統括安全衛生管理者、産業医、衛生管理者、各職場の代表者等から構成する安全衛生委員会を毎月1回開催し、健康増進施策の実施や安全衛生管理、労働災害の発生、長時間労働等の状況について報告し、労働災害の未然防止や職場環境の整備・改善に向けて取り組んでいます。
健康経営優良法人の認定
アドヴィックスの健康経営の取り組みが評価され、経済産業省より「健康経営優良法人」の認定を受けています。
従業員の健康維持・健康意識の向上に向けた主な取り組み
生産年齢人口の減少や社会の高齢化が進むなか、若手から高齢まで、全従業員の生産性が落ちることなく『いきいきと健康で働けるからだ・こころづくり』を目指して、会社・従業員一体となり健康維持・健康意識向上に向けて取り組んでいます。
1.健康リテラシー向上施策
(1)健康教育の実施
階層別・年齢別に、ニーズにあった健康教育(こころ・からだ)を実施しています。からだの健康では生活習慣病予防に向けた知識の習得、こころの健康ではメンタル不調者防止に向けたセルフケア、ラインケア教育を実施しています。
( )は満足度
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|
新入社員 | 239 | 245 | 196 |
監督者(新任) | 224 | 88(99%) | 76(100%) |
監督者(中間層) | 23 | 19(100%) | 61(100%) |
監督者(上級層) | 5 | 9(100%) | 21(100%) |
スタッフ(上級層) | 85 | 90(100%) | 87(100%) |
基幹職 | 38 | 40(100%) | 54(100%) |
上級基幹職 | 18 | 16(100%) | 18(100%) |
高齢者 | ー | ー | 56 |
合計 | 632名 | 507名 | 569名 |
- 高齢になっても元気に働けるからだづくりを目指し59歳になった従業員に対して高齢者に特化した教育を実施しています。
(2)女性特有の健康課題に向けた取り組み
女性従業員のいきいきとした活躍を促進するために、女性特有の健康課題への取り組みとして、管理監督者向け・女性従業員向けそれぞれにおいて「女性の健康教育」を実施しています。また2022年から月経や出産、不妊、更年期など女性特有の健康課題の解決支援としてフェムテックプログラムを導入し、女性が仕事とライフイベントを両立できるよう支援しています。婦人科健診も費用補助や受診率向上に向けた啓蒙活動を行っています。
教育受講者数 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|
管理監督者向け女性の健康教育 | 152名 | 240名(98%) |
( )は満足度
(3)健康イベントの開催
毎年10月の労働衛生週間にあわせ健康増進をねらったイベントを開催しています。従業員の健康意識の醸成を目的に、骨密度・血管年齢測定などのイベントや、睡眠に関する講演会などを実施しています。
2023年度イベント参加者数 | |
---|---|
“腸活”イベント | 361名(93%) |
睡眠講演会 | 86名(99%) |
( )は満足度
(4)健康新聞の発行
定期的に健康新聞を発行し、従業員が健康情報に触れ、健康づくりに取り組めるよう支援しています。季節の話題なども取り入れ楽しく読むことができるよう工夫しているとともに、より多くの方が閲覧できるようアドヴィックスグループWeb社内報にも掲載しています。
(5)健康ポータルサイトの運営
健康に関する内容に特化した 「健康ポータルサイト」を社内ウェブサイトに作成し、従業員がいつでも閲覧できるようにしています。ポータルサイトには、 社内で実施している健康施策のスケジュールや運動や食事方法などの健康ニュース、季節ごとに流行する感染症や熱中症など、疾病のニュースを発信・掲載しています。 また、「復職フロー図」、「在宅勤務での健康管理サポート」など、 心身の健康に関するマニュアルや社内規定も掲載し、必要な時にいつでも確認ができるようにしています。
(6)健康アプリ『PepUp』の導入
従業員の健康リテラシー向上へのサポートとして、健康保険組合と連携し2021年度に 「PepUp」を導入しました。 健康診断結果に基づく健康状態や医療費の履歴がアプリから確認でき、健康意識向上のきっかけになっています。
アプリでは健康情報の配信、 健康セミナーの実施、ウォーキングや体重測定などの健康イベントが紹介され、個人ごと、職場ごとで取り組むことができます。
(7)オンライン健康セミナーの実施
従業員の健康意識の醸成、行動変容に向けて、健康保険組合と連携し年間を通して「リラックスヨガ」や「ボクシングエクサイズ」などのオンライン健康セミナーを実施しています。
セミナー参加者数 | |
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2023年度 | 90名 |
2.健康増進施策
(1)ウォーキングイベントの開催
「運動習慣の定着」を目的に、年2回ウォーキング大会を開催しています。個人・チーム単位で1ヵ月間の合計歩数を競うイベントや休日には県内の健康テーマパークを会場とした「ウォーキング祭」も行っています。
2023年の開催では336名、20チームが参加し、参加者の66%の方が「体重や腹囲が減少した」との効果がみられています。
(2)社員食堂を活用した食育活動
食堂委託業者と協業し、社員食堂の場を通じて 「食育」を実施することにより、食生活改善のきっかけづくりを実施しています。 定食ではなく、メイン、小鉢を数種類用意し、従業員が好きなメニューを選ぶことができます。メニュー表、精算時の画面にカロリー表示をすることで、自身で食生活をコントロールし、生活習慣病予防の意識を促しています。 また、スマートランチ(低カロリーメニュー)、 健康米 (十六穀米、麦ごはん、マンナンご飯)など、各拠点ごとに健康増進メニューを考案、提供しています。
またTABLE FOR TWO(TFT)という社会貢献活動とヘルシーメニューをコラボした取り組みも実施しています。
(3)非喫煙率向上活動
喫煙による健康障害リスクの低減と、受動喫煙防止を促進する活動を2025年度喫煙率24.2%を目指して取り組んでおり、2024年度より敷地内全面禁煙を開始しました。また、保健師による禁煙サポートや、健康保険組合と連動して禁煙プログラムを実施し、禁煙外来の通院費用を一部補助するなど、禁煙希望者をサポートしています。
3.健康管理施策
(1)健康診断・がん予防活動
病気の早期発見・早期治療を促進するため、従業員への定期健康診断の重要性を周知し、受診促進に努めています。健康診断の事後措置として、産業医による面談指導や就業制限による安全配慮、精密検査受診フォローを行いながら、自己管理の大切さを呼びかけ、症状の重症化予防サポートに努めています。
また定期健康診断の無料オプション検査として、血液検査によるがん検診を取り入れ早期発見によるがんの健康リスク低減に取り組んでいます。大腸がん検診、胃がん検診(ペプシノーゲン・ピロリ抗体検査)、前立腺がん検診(PSA検査)、眼底検査は希望者へ無料で実施しています。また健康保険組合と協業で、人間ドッグ・ 脳ドッグ、婦人科健診の費用補助や受診率向上に向けた啓蒙活動を行っています。
- 23年度オプション検査投資額 2,902,500円(税抜)/年)
2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|
定期健康診断受診率 | 100% | 100% |
定期健診後の 精密検査受診率 |
79.3% | 80.1% |
就業制限判定率 | 100% | 100% |
(2)特定保健指導
厚生労働省が定めるガイドライン該当者に対して、生活習慣病の予防対策として社内専門スタッフ等による特定保健指導を就業時間内に受講できる体制を整えて実施しています。
(3)若年層保健指導
20~30代の若年層従業員のうち、生活習慣病リスクの高い方へは社内保健師にて保健指導を実施し、早期段階からの生活習慣病予防、健康意識の醸成をはかっています。また健康保険組合と連携し、節目年齢(25歳、30歳、35歳)での生活習慣病リスクレポートや若年層特保プログラムを展開しています。
(4)ストレスチェックを活用した職場改善活動
ストレスチェックの個人への結果報告とは別に各職場へストレスチェックの職場診断結果をフィードバックしています。優良職場にインタビューを実施し、優良取り組み事例を各職場へ紹介しています。また、高ストレス者には産業医による面接指導を実施し、メンタルヘルス不調の早期発見・早期ケアに取り組んでいます。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|
受検率 | 95.0% | 97.3% | 99.2% |
高ストレス者率 (D/E判定) |
13.5% | 13.6% | 13.5% |
総合健康リスク | 89 | 87 | 85 |
いきいき度 | 90 | 93 | 96 |
ワーク エンゲージメント |
2.26 | 2.28 | 2.32 |
(5)ワークエンゲージメント向上に向けた職場ディスカッション
職場の良い風土を醸成するため課題抽出と対策立案までをディスカッションするだけでなく、参加者それぞれが「行動宣言」を作成、実行しています。
(6)女性活躍推進(女性交流サロン)
女性が働きやすい環境をつくるために、子育ての悩みや聞いてみたいことを先輩社員や他の女性社員から聞ける情報共有の機会(交流女性サロン)を提供しています。
(7)復職支援の整備
休職した従業員が円滑・確実に職場復帰できるように、産業医や保健師、専任スタッフ、職場上司が連携して復職をサポートする制度を整えています。
(8)社内相談窓口の設置
産業医や保健師など社内専門スタッフによる相談窓口を全拠点に設置し、従業員からの相談対応ができる体制を整えています。
精神科医や社外臨床心理士による対応も行っています。
(9)社外従業員支援プログラム(EAP)
24時間健康相談ができる電話相談窓口を設置しました。従業員だけでなく
その家族も利用できます。社内の相談窓口や就業中、職場には相談しづらい場合に気軽に利用でき、従業員本人とその家族の体調不良、こころの悩み、介護・育児の相談、近隣の医療機関紹介など幅広い内容で相談が可能です。
また、有資格者による対面での相談にも対応しています。
- 2023年度EAPに対する投資額:2,025,000円(税抜)/年
(10)テレワーク利用者への取り組み
多様な働き方の推奨、また新型コロナウイルス感染症流行時には感染予防対策として、テレワークが推奨され利用者が増えています。テレワーク中の困りごとヒアリングしたアンケート調査をもとに、「在宅勤務での健康管理サポート」を発行しました。食事内容やテレワーク中にできる運動方法、作業環境整備の目安、メンタルヘルスケアについて掲載しています。
また、管理監督者向けの健康教育やストレスチェックを活用した職場改善活動のなかでもテレワーク中のラインケアの内容を取り入れています。
(11)感染症対策
感染予防の観点から対応マニュアルを作成し蔓延防止に努めるとともに、感染予防行動の啓蒙を実施しています。季節性インフルエンザについては従業員の家族の予防接種費用の一部補助などを行っています。